ニンゲンメモ

タメになりそうでタメにならない日記

なつやすみと気づきのはなし

夏休みに得た気づきをもとに

読者のマインドを醸成していく素晴らしいブログ記事

 

 

<花火の下の平等>

 

我々はパリピなので浴衣を着て花火大会に行った

(まわりの不良っぽい青少年達に浴衣ボゥイだ〜と指さされたので少し小っ恥ずかしかったが、こういうのは形から入るのが重要なので堂々とボゥイした)

 

田舎なので空はとても大きくて

その空の上で色鮮やかな花火が優雅に咲き乱れるのを観て一言

「おぉ〜〜〜」

 

この「おぉ〜〜〜」を繰り返していると

「おぉ〜〜〜卍」と「やべェーーー卍卍」の声が

そう、周りに居るタトゥーの似合うお友達です

 

なんということでしょう

理系といえどいちおう大学院まで出たというのに

どれだけ気の利いた言葉を探しても

ただ現在の感情を簡潔に形容する「すげェ〜〜〜」だの「おぉ〜〜〜」だのしか出てこないのです

 

語り得ぬものについては沈黙しなければならない*1 とはよく言ったもので

絶対的な感動を前に

ニンゲンの言葉はあまりに無力で

言語で語り得る範囲を以ってしてでは

花火の感動をうまく伝えられないのです

 

偉大なる文豪に学ぼうと 花火を詠う江戸の俳句を調べてみても

 

くらがりの 天地にひゞく 花火哉   --- 正岡子規

 

こんなもので、花火の感動を伝えるのは句末の「」だけで

ほぼほぼ花火の写実的な描写に終始しています

 

ここで一つの気づきが産まれます

 

大空をキャンバスにして描かれた芸術を前にしたら

不良青少年も、大学院卒も、文豪も

ニンゲンはみな同じになるのです

その空間では何の区別も差別も必要なくて

名前も知らないヤンキーと一丸となって感動することができるのです

 

芸術にはニンゲンを一つにする力があるのかもしれない

これはとてもすごいことです

 

帰り道、フランスの花火職人に転職するかとつぶやきながら帰りました

 

 

<海で修行して必殺技を会得>

 

我々はパリピなので休暇を利用して沖縄にでかけた

 

青い海、豊かな自然 数々の魅力に満ちた沖縄ですが

一番の狙いはこれ、フライボードと呼ばれるマリンスポーツ

 

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2012年にフランスで始まったスポーツとのことで

水上バイクから噴出される水を

ホースを通してボードの下部から勢いよく噴射

その水圧で空を舞うというもの

 

ただ空を飛ぶだけでなく

慣れると自在に移動可能になりさらには1回転することもできてしまうのだとか

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こんなん楽しくないはずがない 

なにより最高にcoolである

 

30分7,500円という足元見られまくった価格設定だったけど

我々はシャカイ人の財力で殴り込み、ついに彼の地に辿り着いた

 

受付で待っているとチャラい感じの兄チャンが現れて

「お客さん初めてッスか?

大丈夫大丈夫、めっちゃ簡単ッス

小学生でも飛べますんで〜〜

とのことだった 

 

我々はとてもココロが純粋なので

 

なんだ簡単なのか

インターネットにも簡単だと書いてあったし、僕にもできそうだ

 

ととても安心しました

 

 

兄チャンが運転する水上バイクで沖まで行くと*2

さらに肌の黒い

もはやギャルヲと言って差し支えないレヴェルの兄チャン達が居ました

 

彼らの運転する水上バイクから ある程度離れた地点まで水圧で移動し

空を飛ぶ姿勢をとったら一気に水圧で空を飛ぶ(飛べるようになるまで繰り返す

という流れのようです

 

実際にやってみて初めて気づきを得ます

 

これは修行だ

 

そもそも日常生活において

足の裏に働く圧力で吹っ飛ばされるという経験をするものだろうか

まともに身動きがとれないまま

何度も海水面に叩きつけられ 目も口も耳も海水でグチョグチョになります

 

マジか 最近の小学生つえェな

さすが脱ゆとり世代

我々ゆとり世代にはもう生きる道は残されていないのか・・・

 

などともはや意識も朦朧になりながら

また一つ気づきを得ているうちに

ギャルヲのアニキの声が聞こえてきます

 

もっとつま先を上げて!目線は前!!!

 

そこでハッと気がつきます

 

このまま諦めては30分などアッという間に過ぎる

そうしたら小学生にも簡単にできる(とされている)ことが

少しもできないままに

惨めにノコノコと帰ったゆとり世代シャカイ人として

残りの人生を生き続けなければならないのだ

 

確かにゆるふわを美徳として育ってきた俺たちは

こんな修行の場にはあまり出逢わなかったかもしれない

大切にされることを当然と思って生きてきたのだ

 

でもだからといって無能というワケではないのだ

俺たちだってヤるときはヤる 空くらい飛べるのだ

 

はい!

 

自然と僕はものすごくいいカンジの返事をした

まるで体育会系の部活にでも入ったような気持ちだった

 

そうして ついに僕は空を飛んだ

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まるでロールプレイングゲームかなにかで出てくるような

必殺技を会得するための修行のようだった

 

そんな必殺技を体得した僕を

ギャルヲパイセンはたいそう褒めてくれた

「すごいじゃないッスか〜何かスポーツとかヤッてましたー?」

 

さすが この手の類のヒトはニンゲンのキモチをよく理解している

僕の思考のプロセスも どう言ったらどう感情が動くのかも

ギャルヲパイセンには何もかもがお見通しなのだ

 

やっぱりギャルヲに転職しよう、あとサーフィンしよう

などと思いながら 白い砂浜を後にした

 

 

*1:Wovon man nicht sprechen kann, darüber muss man schweigen. -- Ludwig Wittgenstein (1889–1951) 

*2:我々はキモヲタなので水上バイクというものが初めてだった。チャラい兄チャンの背中にしがみつきながら、世の中にはこんなにかっけェ乗り物があったのかと感動した。