ニンゲンメモ

タメになりそうでタメにならない日記

ドラと飛び降り

秋の日記

 

THE ドラえもん展 TOKYO 2017 @六本木ヒルズ に行った話

thedoraemontentokyo2017.jp

(2018/01/08まで開催)

 

現代アートに携わる人々が"ドラえもん"を主題として作品を創る」がテーマとのこと.

というのは実は後から知った話で,我々は本当に何も知らずに,グローバルビジネスメェェンが行き交うあのギロッポンヒルズまで足を運んだ.

(我々はとても単純なので,そこに懐かしいドラえもんの絵や映像があれば,ただそれだけであの頃に還れたような気になれるのだ.)

世代・国籍を越えた共通体験としてのドラえもん

我々の少年期はもうドラえもんとともに在ったと言っても過言ではないだろう.

春になったら「春だ! 一番ドラえもんスペシャル」,夏は「夏休みだよ ドラえもん」,秋には「秋だ! 一番 ドラえもんスペシャル」,冬には「大晦日だよ ドラえもん」「ドラえもん お正月スペシャル」,その全てを正確にビデオで録画しなければならないのだ.

万が一野球中継が延長して放映時間が変更しようものならそれはもう大変なことである.つまらない野球中継が終わるその瞬間に,我々は録画ボタンを押さなければならないのだ.

そうこうしているうちに新しい映画の予告が出てきちゃったりして,映画館にゆこうぞと親を説得するタスクが重くのしかかるのであった.

 

この展覧会は,各人がドラえもんに纏わる過去と対話する場であり,そこでは共通体験としてのドラえもんが,アーティストの主観を通じて描かれるのである.

 

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現代アート,どれだけ頑張っても受け手に伝わるか伝わらないかわからない世界なのに,よくこんなふうに最後まで作品と向き合えるよなァ

と美術館行くたびおもうので,なんとか読み取ろうとするのだけどなかなかキビしい.

でも

↑の動画(~2017/11/27まで配信)で作者のコメントを見ると,そんなにメッセージを伝えるという類のものでもないのかな,とも思った.

 

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展覧会は,子連れ客から外国人まで幅広いお客さんで賑わっていた.きっとそれぞれにそれぞれのドラえもんがあるんだろうなァと思った.

 

集団飛び降りをした話

我々はぱりぴになりたいので30mの高さから身投げをした.

本当はサーフィンに行きたかったのだけど,もうすぐ秋で寒いし,板を購入したり何度も練習しなければならないのでは,という話になり,

ならばということで飛び降りを敢行した(いわば波乗りの妥協が産んだ産物である)

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ヒーローであることの証明

向かった先は奈良県三郷町信貴山の開運バンジー,文化財に指定されている開運橋から飛び降りる,というもので,「開運を願って飛ぼう!」がコンセプト.

全国6箇所のバンジー拠点を有するという,バンジージャパンなる組織が運営するものらしい.

高さ30mというのはいわば初心者コースレヴェル,6箇所の中でも最ザコである*1のに,お値段なんと¥9,000.しかし我々のぱりぴになりたいという熱い思いはそんなモノでは揺るがなかった.

 

電車やらバスやら乗り継いでおよそ2時間,俺たちは奈良県雄大さを知った.

奈良県出身の青年が言うことには,バンジーのある信貴山は子ども達の遠足スポットとして有名らしい.

バスでズンズン山奥に進んで行く.

ニンゲンの手があまり加わっていない自然だ,ココで育った子どもたちはきっと強くたくましく育つだろう.

とか思っているうちに到着.

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およそ2時間の焦らしプレイを受けた我々はもうヒャッホゥーってカンジでバシャバシャと橋の写真を撮って,ニンゲンが身投げしているさまをウェイウェイ言いながら見物した.

 

受付に行って誓約書だの同意書だのを書く.

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なんだコレゎ・・・と一瞬思ったけどコレは人生においても大切なことである.我々にはヒーローであるという自覚が足りなかった,人生の反省をしながら署名をする. 

世界はただ高いところから飛び降りるだけで変わる

カタコトの外人に招かれながら飛び降りポイントへ

「ポケットナンモ無イ!?大丈夫!??」とか聞かれながら,この外人に命を預けて大丈夫なんだろうか,とか思ったけど,我々はヒーローなのでそういうことは気にしないことに決めた.

で,ついにその瞬間が訪れた.

5,4,3,2,1,バンジ〜〜〜

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思っていたより躊躇なく飛べた(実際,上の動画ではとてもカッコよく飛べている.)

30mくらいじゃたぶんしなないというナゾの安心感があったのかもしれない.というか,夏の沖縄の海で無限回海水面に叩きつけられる修行をしていたので,我々はこれしきのことでは動じない,強い漢になっていたのだと思う(やはり,ぱりぴはシュガー&スパイス,甘いだけではダメなのだ.)

 

でも視界が上下方向に急速に変化して,カラダがフワッと宙に浮くような感覚があった.アレは実際に飛び降りなければなかなか得られない感覚だろう.リアル飛び降り自殺するときもこんなカンジなのかな,と思った.

 

帰り道,我々のうちの誰かが「さっきまで観ていた世界と違う」,「俺たちは生まれ変わった」と言っていて,僕は「エッナニウケる,ヤバいヒトっぽい」と言ってゲラゲラ笑っていたのだけど,

これこそが開運バンジーが開運バンジーたらしめているものなのだと,我々は気づきを得た.

飛び降りで強くなったニンゲンが自力で運気を引き寄せる,開運バンジーとはそういうメカニズムだったのだ...

 

*1:関西にはコレしか無かった.妥協 of 妥協である.